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【要約】5秒ルール 最高の結果を出す人がやっている思考・選択・行動50の習慣

5秒ルール
最高の結果を出す人がやっている思考・選択・行動50の習慣

5秒ルール 最高の結果を出す人がやっている思考・選択・行動50の習慣

著者
千田琢哉

要約

近年、新規事業開発において、コストと時間をかけずに最低限の試作品を顧客にテストし、仮説検証を繰り返して改善するリーンスタートアップという手法が浸透しつつある。同じように、優秀なビジネスパーソンや成功者には即断即決と素早い方向転換を得意とする人が多い。速く決めればそれだけ速く動けるし、仮に失敗しても軌道修正も速くできる。つまり人より多くのトライ&エラーを繰り返せるのだから、成功確率は上がるのだ。

 本書はそんな成功者たちが実践する即断即決、即行動の“5秒ルール”の考え方と習慣術を具体的に解説した一冊だ。著者曰く、人生を決めるのは努力や継続力ではなく、方向性だ。方向性が間違っていれば、努力すればするほど人生は望まない方向に進んでしまう。そして、方向性は“5秒以内”で定めるべきだという。

 5秒あれば、判断や選択、軌道修正、さらには休息や切り替えなどあらゆる行動をとることができる。即断即決や行動力に苦手意識がある方はぜひご一読いただき、本書の内容を一つでも実践していただきたい。著者はのべ3,000人を超えるエグゼクティブや成功者、1万人を超えるビジネスパーソンとの対話によって得た知恵を発信し続ける文筆家。

要約

とりあえず5秒続けるとモードが切り替わる。

 もしあなたがやる気が出なくて悩んでいたら、早くやることだ。「やろう」と思ったら、何も考えずに5秒以内にやる。「やろう」と思い立ってから5秒以内にやると、お手洗いにも行けないしコーヒーも飲めないが、それでいい。わざわざお手洗いに行ったり、のんびりコーヒーを飲んでいたりするから、いつまでもやる気が出ずに始められないのだ。

 騙されたと思って、とりあえずどんなことでもいいから、5秒続けてみることだ。とりあえず本を数行読んでみると、もうすっかり読書モードに切り替わる。とりあえずパソコンで文字を打ち込むと、仕事モードに切り替わる、とりあえずストレッチをすると、運動モードに切り替わる…、最初は気が向かないことでも、5秒なら誰でも我慢することができるだろう。

 これまで私が出逢ってきたビジネスエリート、勉強エリート、スポーツエリートたちにはこんな本音が多かった。「好きというわけでもなかったけど、他にやることもなかったし評価されることもなかったから、幼い頃からそれをやることが当たり前になっていただけ」、そんな彼らは“とりあえず5秒”で、モードを切り替えていた。とりあえず5秒を本能レベルまで刷り込めば、人生は勝ちだ。なぜならいつでもどこでも集中できるのだから。

すぐにやるのは、すぐに軌道修正できるから。
 すぐにやると失敗することもある。それはすぐにやったから失敗したのではなく、遅くやっても失敗したのだ。この世に絶対に失敗しない生き方など存在せず、すぐにやって失敗したほうが断然いいことが多い。なぜなら軌道修正する時間が残されているからだ。

 私もこれまでに数え切れないほどの大失敗をやらかしたが、致命的になったことは一度もない。その理由は簡単で、いつも失敗した瞬間に軌道修正をし続けてきたからだ。軌道修正したことがさらに間違いであることがわかれば、めげることなく何度でも軌道修正すればいい。

 最終的に方向性さえ間違わなければ、人生は上々である。ただし軌道修正するためのゆとりは、すぐにやることでしか生み出すことはできない。この世で運を人工的に高める方法があるとすれば、すぐにやることなのだ。

すぐにできる人は、普段から考えている人。

「すぐにやる」と聞くと、何も考えていないように感じるかもしれないが、それは違う。普段から考えているからこそすぐに動けるのだ。私の場合、普段から暇さえあれば判断をしている。判断とは論理的に考えてどちらが正しいかというマークシートの正誤問題と同じだ。

 判断はじっくりと普段から考えて済ませておく必要があり、場合によっては周囲の知恵も借りる。論理的に考えて正しいものばかり残しておけば、いざ決断する際には時間がかからない。なぜならどれを選んでも正しいからだ。

 私は決断でいつも好きなほうを選ぶから、最長5秒以内で決まる。成功者の中には「今までの自分が選ばなかったほうを選ぶ」「モテそうなほうを選ぶ」など、面白い基準を持っている人もいたが、いずれにしても5秒以内で決めるという点においては同じだった。

すぐにやる人を人は評価する。

 同じようなことをして、同じような結果を出しているのに、評価される人とされない人がいる。両者の違いはスピードだ。同じことをしても、すぐにやる人はより高く評価されるのだ。同じ売上を達成するなら、先に達成したほうが偉いと誰もが感じるのは、我々が時間の貴重さを熟知しているからである。

 新米のうちは、どうせやらなければならないなら、すぐにやると決めておこう。期限までに間に合わない新人はすでに周回遅れで補欠組確定となる。すぐにやって期限を大幅に前倒して終わらせる新人は間違いなく評価されて、それ以外でも依怙贔屓される。

 依怙贔屓されれば、いい仕事が回ってくる。私も仕事は徹底的に、すべて前倒しで終わらせて、散々依怙贔屓を享受してきた。正直に言えば、サラリーマンの出世は成果ではなく、依怙贔屓で決まる。依怙贔屓され続ければ、成果など勝手に出るように環境が整うのだから。

5秒あれば、いい言葉に出逢える。

 私は人生で壁にぶつかるといつも本を開いてきた。本棚の背表紙を眺めて、ピン!ときたものを手にしてパラパラとめくる。すると不思議なことにその瞬間に私が求めていた言葉に出逢えるのだ。時間にしてせいぜい5秒以内だが、そのたびに読書の素晴らしさに深く感謝した。

 じっくり熟読するためには何時間も、場合によっては何日もかかるかもしれない。だが直感でパッと開いたページを味わう読書もあっていい。本というのは著者の人生の集大成であり、複数のプロが関わって知恵を絞った結晶だ。私がこれまで手にした本で、本当に何も得るものがない本は存在しなかった。5秒でも暇ができれば、本を開こう。

1時間につき5秒間首と肩を回すと、頭が良く働く。

 サラリーマン時代の私の師匠は抜群に頭がシャープだった。そんな師匠の頭脳からどのように知恵が生み出されていたのか、私は事あるごとに観察し、本人にも直接聞き続けた。その結果、私が「これだ!」と膝を打った方法がある。

 それは、首と肩を頻繁に回すことだった。拍子抜けしたかもしれないが、試しに首と肩を回してもらいたい。見る見るうちに脳の血流が良くなり、頭の芯からエネルギーが漲ってくるはずだ。血流が良くなるということは、豊富な酸素が脳細胞に取り込まれているということだ。

 1時間につき5秒間でいい。左右に一回ずつゆっくりと首を回し(2秒)、やや力を入れて肩の上下運動を3回すればいい(3秒)。首と肩の筋肉をほぐしておくと、必ずあなたの発想は柔軟になる。なぜなら筋肉の状態と頭脳の状態は常に連携しているからだ。

限界を感じてから、あと5秒だけ粘ってみる。
 どんなことでもそうだが、本気で成長したければ限界を超える必要がある。しかしすべてにおいて限界を超え続けていては、いずれ心も身体も病んでしまう。そこでおススメなのは、限界を感じたらあと5秒だけ粘ってみることだ。

「これ以上はできない」からあと5秒。自分が成長したいと思っている分野で限界を感じたら、どんなことでもあと5秒だけ粘る習慣にしておくと知らぬ間にステージがアップする。私の経験では5秒だけ粘ってみるつもりだったのが、そのまま走り続けられることもある。これが最初から10秒とかそれ以上を目標にしていると続かない。人生に奇跡を起こしたければ、「あと5秒」を習慣化しよう。

メールは5秒以内に仕分けする。

 私のパソコンには日々膨大な数のメールが届き、すべて律儀にメールの返信をしていては、何もできなくなってしまう。そこで、メールは届いて5秒以内に

①今すぐ返信するもの

②今日中に返信するもの

③返信しないもの

という仕分けをする。

 ①と②はこれからも付き合いたいと思える少数の相手であり、すぐに返信すべきものはして、今日中にすべきものは今日中にする。③はジャンクメール以外では、「名前を間違えているもの」「超長文メール」「あなたは私に会うべきメール」のいずれかであることがほとんどだ。優先順位を速攻でつけよう。

パニックに陥ったら、とりあえず目を瞑って5秒間深呼吸。
 誰でもパニックに陥ることはあり、私もこれまでの人生で数え切れないほどパニックに陥ってきた。ただし、あるコツを知っておくと、パニックとは親友になれることを本や成功者たちから教わった。とりあえず目を瞑って、5秒間だけ、たったの1回でいいから深呼吸するのだ。

 その深呼吸で大切なことは、息を吐き切ることである。ゼロ秒で一気に空気を吸って、ゆったりと5つ数えながら息を吐き切る。これだけで確実にパニック状態から脱出できる。5秒後に息を吐き切ってから目を開くと、もはやあなたは別人になっているはずだ。

 終了時間のラスト1分で試験問題を解き終えなければならない時、パニックに陥りそうになったらぜひ5秒間深呼吸を試してもらいたい。全体の時間を減らしても、この5秒でパフォーマンスは上がるので、結果はついてくる。

予定の5秒前にやる人が、人生を拓いていく。

「○時からやる」と決めて、厳密にいつスタートするのかで人生は決まる。たとえば8時から勉強しようと考えている場合、二通りの人に分かれる。8時になる5秒前までに始める人と、8時を過ぎても始めない人だ。前者は人生を拓いていき、後者は人生を閉じていく。

 前者は予定よりも早く勉強が終わり、たっぷり熟睡できるし趣味を楽しむことができる。後者は8時からのテレビ番組をそのまま見続け、「9時から始めよう」と考え、9時になったら別の番組を見続け、「やっぱり10時から始めよう」と考える。次第に時間が過ぎてしまい、寝る前に携帯をいじって「明日やろう」という結論に至り、罪悪感に包まれながら眠りに就く。

 前者は人生すべてにおいて前倒しをしながら、趣味も健康も獲得して夢を実現する。後者は人生すべてにおいて先延ばしをしながら、負け犬のまま人生の幕を閉じる。元を辿れば、その差はわずか5秒だ。もちろんちょうど5秒前にスタートする必要はなく、もっと前倒しできればなおよい。最悪でも5秒前にスタートしなければ、あなたは永遠に始められない人になる。

 

 

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