ハンターハンターOVAから見るでセル画とデジタルに違い

HUNTER×HUNTER ハンター×ハンター コミック 1-35巻 セット
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: コミック
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アニメがセル画からデジタルへと変わるちょうど境目にあたる時期に製作されたのがハンターハンターOVAです。
見れば差は歴然。監督は同じなので、やはりセル画とデジタルではかなり違いが出ることがよくわかります。
ハンターハンターはヨークシン編とGI編でセル画からデジタルへと移行しました、
見てもらうのが一番早いと思います。
デジタル
GI編からデジタルに変わりました。
一目でセル画とは色の発色が違うことがわかると思います。
デジタルでは発色が明るくなりすぎ、安っぽく見えてしまいます。
アニメーションに関しては間違いなくデジタルのほうが楽になったとは思いますが、クオリティが高くなったとは思えません。
なぜ楽になったのにクオリティが上がらないのか不思議でしたが、デジタルでは表現方法に限界があるのです。
もちろん、セル画にも限界がありますが、デジタルでの表現よりもアナログなやり方のほうが
セル画
クラピカVSウヴォーギン戦
セル画では若干ぼやけた淡い色になっており、デジタルとは違い、曲線画しなやかで自然なタッチになっています。
非常にリアルでやわらかいアニメーションがセル画の特徴です。正直、メリットしかないですが、デメリットとしては膨大な時間と人権費、労働力を必要とすることです。
今作ろうと思っても技術的に断絶していることも多く、現在ではジブリぐらいしかまともに制作できる会社は存在しないと思います。
缶ビールを潰した後に弾丸のようにクラピカに投げる
それをチェーンで一払いする描写
ウボォーが100パーオーラ出した後にパンチで巨大岩を吹っ飛ばす描写
ウボーが本気出したCM明けのシリアスな戦闘BGM
戦闘前にクルタの祈りを唱える描写や殺した後に跪く描写・・・
一目見ればその出来の違いに誰しもが驚きます。同じストーリーのはずなのにどうしてここまで違うのかと。
はっきり言って90年代、00年代前半のアニメの力の入れぐらいは以上です。
今のアニメがダメとは言いません。昔が凄すぎたのです。はやり、日本が一番元気で世界的にも稀にみる豊かな国であったからこそ素晴らしいアニメ作品が量産できたのでしょう。
デジタルで楽になったはずなのに…
楽になったのは間違いありませんが、デジタルには限界があります。あまりに色が派手すぎる。
キッズ向けアニメであればデジタルのほうが向いていると思いますが、そうでない場合はセル画風味のほうが作風に合うでしょう。
いまの技術であればデジタル絵をセル画風にすることは可能だと思いますが、予算のなさ、時間のなさからそこまでに手間をかけられないのかもしれません。
アニメの質は下がっている?
ハンターハンターOVAはるろうに剣心追憶編を制作した名監督と素晴らしいスタッフのもと作られているので、アニメ版ハンターハンターとは比べ物にならないレベルの映像に仕上がっていますが、それでもデジタルに移行するとどうしても安っぽさが出ています。
GI編はOP映像に関してもかなり手抜きだったのでそもそも予算がなかったのかもしれませんが、それでもヨークシン編のセル画と比べると非常にチープに見えます。
やはり、予算がないから質が下がっているのかもしれません。
お金がないから、デジタルで制作。結果質が下がる。
予算がない理由はビジネスモデルの問題なので、再び素晴らしいアニメを作るには業界ごと一度潰れたほうがいいのかもしれませんね。